Claude Codeをインストールする段階をクリアし、チームで使い始めたものの、「誰がどれくらい使っているか」「効果が出ているか」を数字で確認したくなる場面は多いはずです。Analyticsダッシュボードはまさにその用途で用意された機能ですが、アクセスした瞬間に数値が空っぽ——という経験をした人もいるでしょう。多くの場合、プランや権限の問題です。この記事では、Analyticsにアクセスする前提条件の確認から、基本メトリクスの読み方、GitHub連携によるPR貢献度の計測までをステップバイステップで案内します。
事前に必要なもの
Analyticsを開く前に、3つの前提条件を確認します。
対応プラン
Claude CodeのAnalyticsは、次のプランでのみ利用できます。
| プラン | ダッシュボードURL | 主な機能 |
|---|---|---|
| Claude for Teams | claude.ai/analytics/claude-code |
利用メトリクス・貢献度・リーダーボード・CSV出力 |
| Claude for Enterprise | claude.ai/analytics/claude-code |
同上 |
| API(Claude Console) | platform.claude.com/claude-code |
利用メトリクス・利用額追跡・チーム分析 |
個人プラン(Pro / Max)ではAnalyticsが使えません。チーム管理向けの機能として提供されているため、この点に気づかず「Analyticsメニューが見当たらない」となるケースが少なくありません。
必要な権限
ダッシュボードの閲覧には Owner または Admin 権限モードが必要です。メンバー権限ではアクセスできません。設定の変更(GitHub連携など)は Owner のみ可能です。
その他の前提
- Zero Data Retention(ZDR)を有効にしている組織では、利用メトリクスのみ表示され、Contribution Metrics(PR貢献度)は使えません
- ブラウザはChrome等のモダンブラウザでそのままアクセスできます。特別な準備は不要です
Pro / Maxプランの方へ: 個人プランではAnalyticsは提供されていません。チームでの導入を検討されている場合は、Teamプランからの利用になります。
Analyticsダッシュボードにアクセスする
前提条件を満たしていることを確認したら、ダッシュボードを開きます。
- ブラウザで
claude.ai/analytics/claude-codeにアクセスする - Claudeアカウントでログインする(Owner/Admin権限のアカウントであること)
- 組織が複数ある場合は、対象の組織を選択する
ダッシュボードが表示されればアクセス成功です。上部にサマリーメトリクス、下にチャートとユーザー別データが並びます。画面の見方に慣れていないと、最初は何がどこに表示されているか分かりにくいかもしれませんが、使っていくうちに慣れます。
画面が表示されない時の確認事項
- ページが空白または「アクセス権がありません」→ Owner/Admin権限か確認してください
- メニューにAnalyticsが表示されない → 個人プラン(Pro/Max)の可能性があります
- 組織選択で迷う → 複数組織に属している場合、対象の組織を明示的に選んでください
基本の利用メトリクスを読む
ダッシュボードを開くと、利用状況を確認するための基本メトリクスと、期間ごとの推移グラフが表示されます。Suggestion accept rateは、まず自チームの過去推移と比べて見るのが現実的です。目安としては、30〜60%あたりに収まっているか、前週より改善しているかを見ると、提案の質や使い方がチームに合ってきているか判断しやすくなります。
4つの基本指標
- Lines of code accepted — セッション内でClaude Codeが提案し、ユーザーが受け入れたコードの行数。拒否された分は含まれないため、「いったん受け入れられたコード量」の目安になります。ただし、その後に削除されたコードまでは追跡されません
- Suggestion accept rate — Claude Codeのコード編集提案(Edit, Write, NotebookEdit)に対してユーザーが承認した割合
- Daily active users & sessions — 1日あたりのアクティブユーザー数とセッション数。セッション数がユーザー数より多ければ、1人が1日に複数回使っていることになります
- Activity trends — 期間ごとの利用推移グラフ。週単位・月単位でトレンドを確認できます
ざっくりした判断基準
| 指標 | 傾向と読み方 |
|---|---|
| Suggestion accept rate が前週・前月より上がっている | Claude Codeの提案が、チームの作業に合ってきている可能性がある |
| Suggestion accept rate が継続して低い | プロンプトの出し方、任せる作業範囲、レビューの流れを見直す材料になる |
| Daily active users が横ばい | 定着している。導入初期なら増加傾向が理想 |
| Lines of code accepted が右肩上がり | Claude Codeの提案が受け入れられる量が増えている。効率向上の可能性を見る材料になる |
初心者なら、まずSuggestion accept rateとDaily active usersの2つを見るだけで、チームの定着度合いはだいたい読めます。
Contribution Metricsを有効化する(ベータ機能)
ここまでが基本の4指標です。では、PRへの貢献度はどう見ればいいのでしょう? それにはContribution Metrics(ベータ)を有効にする必要があります。
Contribution Metricsは現在 Public Beta です。仕様が変更される可能性があることを前提にご利用ください。
設定自体は5分程度で終わります。ただしデータがダッシュボードに反映されるまで約24時間かかるため、先に設定だけ済ませておくのがおすすめです。
ベータ機能について: Contribution MetricsはPublic Betaの段階であり、今後仕様が変更される可能性があります。
設定に必要な権限
- Claude側: Owner 権限(設定の変更に必要)
- GitHub側: GitHub Admin 権限(GitHub Appのインストールに必要)
設定手順
- GitHub Adminが
github.com/apps/claudeにアクセスし、Claude GitHub Appを組織にインストールする - Claude Ownerが
claude.ai/admin-settings/claude-codeにアクセスする - 「Claude Code analytics」を有効にする
- 同ページで「GitHub analytics」を有効にする
- GitHub認証フローを完了させ、対象のGitHub組織を選択する
期待される結果: 設定が終わったら、データの反映に約24時間かかります。更新は日次で行われます。
データが表示されない場合は、次のメッセージが表示されることがあります。
GitHub app required→ GitHub Appのインストールが未完了ですData processing in progress→ 数日待ってから再度確認してください
GitHub CloudとGitHub Enterprise Serverの両方に対応しています。ZDR環境ではこの機能が使えないため、利用メトリクスのみの表示に留まります。
PR貢献度メトリクスを見る
GitHub連携が完了すると、ダッシュボードに貢献度指標が追加で表示されます。PR attribution(どの行がClaude Code由来かの判定)は保守的な方法をとっており、Claude Codeが関与したことが確実な行だけをカウントします。つまり、表示される数字は実態より少なめに出る傾向があります。
3つの貢献度指標
- PRs with Claude Code — Claude Codeが関与したコードを含むマージ済みPRの総数
- Lines of code with Claude Code — マージ済みPRのうち、Claude Codeが書いた行数。3文字以下の行や空行は除外され、「有効な行」だけがカウントされます
- PRs with Claude Code (%) — 全マージ済みPRのうち、Claude Codeが関与したPRの割合
PR attributionの仕組み
マージ済みPRの差分をもとに、Claude Codeセッション中に編集された内容と照合し、Claude Codeが関与した可能性の高い行を特定します。判定は保守的に行われ、Claude Codeが書いたと確実に言える行だけをカウントします。除外ファイル(package-lock.json 等)は自動的にスキップされるため、意図せず大きなファイルがカウントを押し上げることはありません。
PRs with Claude Code(%)は、固定の合格ラインを見るよりも、自チームの過去推移や導入目標と比べて確認するのが現実的です。前週・前月より上がっていれば、Claude Codeを使ったPRが増えていると判断できます。
基本メトリクスとPR貢献度の数字を確認したら、次はユーザー別の内訳を見てみます。
ユーザー別の利用状況を確認する
リーダーボードは名前が並ぶだけではありません。誰がどのメトリクスで貢献しているかの傾向が読めます。
ダッシュボード下部にユーザー別のビューがあり、各メンバーのセッション数、受け入れ行数、提案承認率を個別に確認できます。上位コントリビューターのランキングも表示されるため、パワーユーザーを特定するのに役立ちます。上位メンバーの使い方をチーム内で共有すると、導入のヒントになります。
CSVエクスポート
貢献度データはCSV形式でダウンロード可能です。ダッシュボード右上のエクスポートボタンから取得でき、スプレッドシート等で独自のレポートに加工できます。
ここまでが claude.ai からのアクセス方法です。API Consoleユーザー向けには別の入口があります。
API Console(Claude Console)ユーザーの場合
API経由でClaude Codeを利用している組織は、platform.claude.com/claude-code からアクセスします。
API Consoleのダッシュボードでは、利用メトリクスに加えて Spend tracking(利用額の追跡)と Team insights(チーム分析)を確認できます。ただし、Spendの数値はAnalytics上の見積もりとして扱い、実際の請求額はBillingページで確認します。
claude.ai 版との違い:claude.ai 版にはGitHub連携の貢献度メトリクスとリーダーボードがありますが、API Console版にはありません。逆にAPI Console版では利用額の追跡に特化しています。自組織がどちらのプランか把握しておくと、期待するデータがどこにあるか迷わずに済みます。
最後に確認すること
Analyticsの設定が一通り終わったら、次のポイントを確認しておきます。
動作確認
- ダッシュボードを開いて、基本メトリクスの数値が表示されているか
- GitHub連携を有効にした場合は、24時間後に貢献度指標が表示されるか
- CSVエクスポートが正常にダウンロードできるか
データの更新頻度
- データは日次で更新されます。リアルタイムではありません
- メトリクスの集計期間はダッシュボードで確認できます。期間が変わると新しい集計に切り替わります
- リアルタイム監視が必要な用途では、OpenTelemetry等の別手段の検討が必要です
Analyticsは「週単位で導入が広がっているか」を確かめるには十分な精度があります。まずは1週間、基本メトリクス4種を見続けてチームの傾向をつかむところから始めましょう。最初の依頼からAnalytics活用まで、一通り試してみるのがおすすめです。
- 次に読む: OpenTelemetryでリアルタイム監視をする方法
- 次に試す: CSVエクスポートを活用した独自レポート作成
- 高度な設定: Zero Data Retention環境での制限事項の確認
まとめ
Claude Code Analyticsは、Team / EnterpriseならOwnerまたはAdmin権限で claude.ai/analytics/claude-code にアクセスすると利用状況を確認できます。API Consoleを使っている組織では、UsageView権限のあるアカウントで platform.claude.com/claude-code にアクセスします。
基本メトリクス4種で定着度合いをざっくり把握し、Contribution Metrics(ベータ)でPRへの貢献度を計測する——この2段階で進めるのが最初のポイントです。Suggestion accept rateは、固定の目安だけで判断せず、自チームの過去推移や作業内容とあわせて見るのが現実的です。前週・前月より改善していれば、使い方がチームに合ってきている可能性があります。数字が思ったより低くても、プロンプトの書き方や利用シーンを工夫するだけで改善の余地があります。
データは日次更新で、リアルタイムではありません。表示期間や月次の集計項目はダッシュボード上で確認する形になりますが、「週単位で導入が広がっているか」を見る用途には十分使えるでしょう。
