会社のPCにClaude Codeを入れたのに、いきなり英語のエラーが出て途方に暮れた。この記事は、その状況を解消する手順をまとめています。原因は多くの場合、「プロキシ」「TLS検査(証明書)」「ファイアウォール」のどれかに絞れます。この記事では、よくある原因から順に確認し、どこで止まっているかを切り分けていきます。筆者の手元でも3パターンに整理して検証しながら書いているので、安心して進めてください。
まずは原因を3つに絞る
企業ネットワークでClaude Codeが通信できない場合、ざっくり次の3パターンのどれかです。
- プロキシ経由の通信——会社がWebアクセスを中継している
- TLS検査(証明書の差し替え)——社内セキュリティツールが通信を監視している
- ファイアウォールによる遮断——特定のドメインへの接続がブロックされている
手元の環境がどれに該当するか、エラーメッセージで大まかに判断できます。
| エラーメッセージ(抽粋) | 原因の目安 |
|---|---|
ECONNREFUSED、connection refused |
プロキシの設定漏れ |
UNABLE_TO_GET_ISSUER_CERT_LOCALLY、SELF_SIGNED_CERT_IN_CHAIN |
TLS検査による証明書エラー |
ETIMEDOUT、timeout |
ファイアウォールまたはVPNの遮断 |
会社のPCにZscalerやCrowdStrikeが入っているなら、TLS検査の可能性が高めです。IT部門に「社内プロキシある?」「TLS検査してる?」と聞いておくと、原因特定が早いです。
上から順に読み進めてもよいですし、エラーメッセージから該当セクションに飛んでも大丈夫です。
プロキシ設定(HTTPS_PROXY / HTTP_PROXY)
企業プロキシがある環境では、Claude Codeに「プロキシを経由して通信して」と伝える必要があります。公式で推奨されているのは settings.json のenvブロック に環境変数を書くやり方です。
settings.jsonにプロキシを設定する
- エクスプローラーのアドレスバーに
%USERPROFILE%\.claudeと入力してEnter settings.jsonをメモ帳等で開く(ファイルがなければ新規作成)- 次のように
envブロックを追加する
{
"env": {
"HTTPS_PROXY": "http://proxy.example.com:8080",
"HTTP_PROXY": "http://proxy.example.com:8080"
}
}
proxy.example.com:8080 の部分は自分の会社のプロキシURLに置き換えてください。URLが分からない場合は、Edgeのアドレスバーに edge://settings/?search=proxy と入力すると、プロキシ設定画面に飛べます。ここに書かれているアドレスがそのままプロキシURLです。
認証付きプロキシの場合
ユーザー名とパスワードが必要なプロキシなら、URLに認証情報を含めます。
{
"env": {
"HTTPS_PROXY": "http://ユーザー名:パスワード@proxy.example.com:8080"
}
}
特定のアドレスをプロキシ経由しない設定
社内サーバー等、プロキシを通さずに直接つなぎたいアドレスがあれば NO_PROXY を追加します。
{
"env": {
"HTTPS_PROXY": "http://proxy.example.com:8080",
"NO_PROXY": "localhost,127.0.0.1,*.internal.example.com"
}
}
PowerShellでの一時設定(代替手順)
settings.jsonを編集したくない、または一時的に確認したい場合、PowerShellで直接設定することもできます。ただしターミナルを閉じるとリセットされます。
$env:HTTPS_PROXY = "http://proxy.example.com:8080"
$env:HTTP_PROXY = "http://proxy.example.com:8080"
設定後に claude コマンドを実行して、接続できるか試してみてください。
CA証明書の設定(TLS検査対策)
会社によっては、セキュリティツール(Zscaler、CrowdStrike等)が通信内容を監視するため、通信経路上で証明書を差し替えています。これがいわゆる TLS検査 で、Claude Codeから見ると「知らない証明書が使われている」と判定されてエラーになります。
この問題は、会社のCA証明書をClaude Codeに教えることで解消できます。
手順:CA証明書をエクスポートして設定する
1. 証明書をエクスポートする
スタートボタンを右クリック → 「ファイル名を指定して実行」 → certmgr.msc と入力してEnter。「信頼されたルート証明機関」→「証明書」を開き、会社のセキュリティツール名が付いた証明書を探します。証明書の一覧には「Zscaler Root CA」や「CrowdStrike SSL」のような名前で並んでいるので、目安になります。見つけたら右クリック → 「すべてのタスク」→「エクスポート」で、Base64 encoded を選んでデスクトップ等に保存してください。
2. settings.jsonに証明書パスを設定する
エクスポートしたファイル(例:company-ca.crt)を %USERPROFILE%\.claude フォルダ等に置き、settings.jsonのenvブロックに追記します。
{
"env": {
"HTTPS_PROXY": "http://proxy.example.com:8080",
"NODE_EXTRA_CA_CERTS": "C:\\Users\\あなたのユーザー名\\.claude\\company-ca.crt"
}
}
パスのバックスラッシュは \\ のように2つ重ねてエスケープします。
3. システムの証明書ストアを使う(CLAUDE_CODE_CERT_STORE)
ネイティブバイナリ版のClaude Code(npmでなくインストーラー経由で入れたもの)は、デフォルトで同梱のMozilla CA証明書とOSの証明書ストアの両方を信頼します。そのため、会社のCA証明書がWindowsの証明書ストアに登録されていれば、追加設定なしで動くことが多いです。
証明書の信頼元を明示的に制御したい場合は、CLAUDE_CODE_CERT_STORE を設定します。
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_CERT_STORE": "bundled,system"
}
}
bundled は同梱のMozilla CA証明書、system はOSの証明書ストアを意味します。デフォルトは bundled,system(両方)です。システム証明書ストアだけを信頼したい場合は system だけを指定することもできます。
npm経由で入れたNode.jsランタイム版では、システムの証明書ストアが自動では読み込まれないため、NODE_EXTRA_CA_CERTS で個別に証明書ファイルを指定する方法が基本になります。
設定後にClaude Codeを起動して、証明書エラーが出なくなったか確認してください。
VPN環境での接続確認
VPNを使っている場合、VPNの接続状態によってClaude Codeが動いたり動かなかったりすることがあります。設定が終わったら、VPN接続状態で動作確認をしておきます。
確認手順
- VPNに接続する
- PowerShellを開いて
claudeと入力して起動する - 起動後に
/doctorと入力してEnter - 診断結果を確認する
/doctor はClaude Codeの内蔵診断コマンドで、API接続や設定の問題を自動的にチェックしてくれます。結果にエラーが表示されなければ、VPN経由でも正常に動いています。
接続テストの別の方法
PowerShellから直接APIへの接続を確認することもできます。
Invoke-WebRequest -Uri https://api.anthropic.com -Method Head
ステータスコードが返ってくれば通信は通っています。タイムアウトする場合は、VPNの経路またはファイアウォールが原因の可能性があります。
VPN環境での注意点
- VPN切断時は使えない: VPN接続時のみ社内ネットワーク経由で外部にアクセスできる環境の場合、VPNを切るとClaude Codeも使えなくなります。VPNを常時接続していない人は、接続・切断のたびにClaude Codeの再起動が必要になることがあります
- VPNプロファイルごとにプロキシが変わる: 複数のVPNプロファイル(拠点A用、拠点B用など)を使い分けている場合、プロファイルによってプロキシURLが異なることがあります。VPNを切り替えた後に急に繋がらなくなったら、プロキシ設定を見直してみてください
ファイアウォールで許可すべきURL
企業のファイアウォールがClaude Codeの通信をブロックしている場合、IT部門に特定のドメインを許可してもらう必要があります。以下のURLを許可リストに追加してもらうよう依頼してください。
許可すべきドメイン一覧
| ドメイン | ポート | 用途 |
|---|---|---|
api.anthropic.com |
443(HTTPS) | Claude APIとの通信 |
claude.ai |
443(HTTPS) | Claude.aiアカウント認証 |
downloads.claude.ai |
443(HTTPS) | アップデートの取得 |
platform.claude.com |
443(HTTPS) | プラットフォームAPI |
storage.googleapis.com |
443(HTTPS) | 配布・バージョン取得 |
IT部門への依頼文テンプレート
以下をコピーしてIT部門に送ってください。「これを許可してください」とそのまま転送できれば、やり取りがスムーズになります。
Claude Code(Anthropic社のAIコーディングツール)を業務で利用したいです。
以下のドメインへのHTTPS(ポート443)通信を許可してください。
- api.anthropic.com
- claude.ai
- platform.claude.com
- downloads.claude.ai
- storage.googleapis.com
すべてHTTPS(ポート443)のみを使用します。
プロキシ環境(HTTP_PROXY / HTTPS_PROXY)にも対応しています。
よろしくお願いいたします。
許可が反映されるまで時間がかかることがあります。反映されたら、この後のチェックリストで動作確認してください。
高度な設定(読み飛ばし可)
ここからは一部の環境にのみ該当する設定です。自分の環境に当てはまらなければ、読み飛ばして構いません。
mTLS認証(クライアント証明書)
会社がクライアント証明書による認証を要求している場合、環境変数で証明書と鍵のパスを指定します。
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_CLIENT_CERT": "C:\\path\\to\\client-cert.pem",
"CLAUDE_CODE_CLIENT_KEY": "C:\\path\\to\\client-key.pem"
}
}
この設定が必要な環境は限られています。IT部門から「クライアント証明書が必要」と言われた場合のみ設定してください。
VS Code拡張版での注意点
VS Code内でClaude Code拡張機能を使う場合、PowerShellで設定した環境変数が引き継がれないことがあります。VS Code側でプロキシを設定するには、VS Codeの 設定(Ctrl+,) を開き、proxy で検索して Http: Proxy にプロキシURLを入力します。設定後はVS Codeの再起動が必要です。
settings.json(Claude Code側)に書いた設定は、VS Code拡張版でも参照されるため、可能ならsettings.jsonにまとめておく方が確実です。
管理設定(managed settings)
企業では、Claude.ai管理コンソール、MDM/グループポリシー、または managed-settings.json によって、ユーザーが変更できない管理設定を配布できる場合があります。Windowsのファイルベース設定では、主に C:\Program Files\ClaudeCode\managed-settings.json が使われます。この仕組みが使われている環境では、個人のsettings.jsonよりも管理設定が優先されます。
動作確認チェックリスト
設定がすべて終わったら、ここで動作確認をします。上から順に試してください。
1. バージョン確認
claude --version
バージョン番号が表示されれば、Claude Code自体は正常にインストールされています。
2. 診断コマンド
claude
で起動後、
/doctor
と入力してEnter。診断結果にエラーがなければAPIへの接続は成功しています。
3. チャット動作テスト
実際に短いメッセージを送ってみます。
「こんにちは」と入力してEnter
AIからの応答が返ってくれば、通信・認証ともに正常です。
エラーが出た場合
- 証明書関連のエラー(
CERTやSSLという文字が含まれる) → 上の「CA証明書の設定」を読み直してみてください。ネイティブ版ならCLAUDE_CODE_CERT_STORE、npm/Node.jsランタイム版ならNODE_EXTRA_CA_CERTSの設定を確認してください - タイムアウト(応答が返ってこない) → VPN接続状態とファイアウォールの許可状況を確認してください。VPNプロファイルの切り替え直後なら、Claude Codeを再起動するだけでも解決することがあります
- プロキシエラー(
ECONNREFUSED等) → settings.jsonのURLに誤記がないか、Edgeの設定画面で実際のプロキシアドレスと見比べてみてください
いずれにしても、settings.json内のWindowsパスでは、\\ を \ と書けているか、URLに誤記がないかを先に確認すると解決が早いです。
設定が終わったら
企業ネットワークでClaude Codeが動くようになったら、次は実際に使ってみましょう。
- 次に読む: Claude Codeの基本的な使い方やコマンド一覧を解説した記事に進む
- 次に試す: 自分のプロジェクトフォルダで
claudeを起動し、簡単な指示を出して動きを確認する - 高度な設定: Amazon BedrockやGoogle Vertex AIを経由してClaude Codeを使う方法は、それぞれ専用の記事で解説している
Windows環境を前提に設定手順を整理しました。設定が反映されない場合は、settings.jsonの記述内容とパスの誤りがないか確認するか、IT部門に聞いてみてください。
Claude Codeに最初の依頼をしてみよう — コピペで試せる3つのパターンで、実際の動作確認を進めてみてください。
