「日報を作るスキルを作って」――Claude Codeにこう頼むと、繰り返し作業をかなり楽にする仕組みができあがります。毎日の定例業務、フォルダ整理、定型メール……こういう作業、いちいち手でやっていませんか? Claude Codeにスキルを作ってもらい、スラッシュコマンド一つで呼び出せるようになるまでの手順を渡します。
Skills(スキル)って何? — 一言でいうと
Skillsは、Claude Codeの中でショートカット的に使える再利用可能な手順やワークフローを作れる仕組みです。
よく使う手順をコマンド一つで呼び出せる、と考えてください。毎日やる作業があったとして、その手順を一度Claude Codeに教えれば、あとは / からすぐ呼び出せるようになります。
たとえば /daily-report と入力するだけで、その日の作業内容をまとめた日報が出力される――そんな使い方ができます。繰り返し手順を再利用しやすくする機能で、うまく使いこなせば自動化に近い感覚で作業を進められます。
重要なのは、この手順を自分でファイルを書いて作る必要がないという点です。「〇〇のスキルを作って」とClaude Codeに頼むと、必要なファイルが用意されることが多いです。仕組みの理解は後回しで大丈夫。まずは頼んで体験してみるのが一番早いです。
まずは頼んでみよう — スキルを作ってもらう
ここからがこの記事のメインです。Claude Codeにスキルを作ってもらいましょう。
前提条件
確認しておくことが1つだけあります。
- Claude Codeがインストール済みで、起動できる状態であること
すでにClaude Codeを使っているなら、そのままで大丈夫です。
手順
1. Claude Codeを起動する
WindowsでコマンドプロンプトまたはPowerShellを開き、claude と入力してEnterキーを押します。Claude Codeの画面が立ち上がったらOKです。
期待される結果:画面にClaude Codeのプロンプト(入力欄)が表示される。
2. スキルの作成を頼む
次のように入力して、Enterキーを押します。
日報を作るスキルを作ってください。
毎日の作業内容をまとめて、以下のフォーマットで日報ファイルを出力してください。
フォーマット:
- 日付
- 本日の作業内容(箇条書き)
- 所要時間
- 翌日の予定
保存先:daily-report フォルダの中に、日付ごとのファイルとして保存
この依頼文はそのままコピペして使えます。自分のやりたい作業に合わせて「日報」の部分を書き換えても構いません。
期待される結果:Claude Codeが「スキルを作成しました」といった応答を返す。
3. スキルが作られたことを確認する
Claude Codeが応答を返したら、スキルがちゃんと作られたか確認します。プロジェクトローカルで作った場合、プロジェクトフォルダの中に .claude/skills/ というフォルダができていて、その中に新しいファイルがあれば成功です(グローバルで作った場合は、ユーザーフォルダ側の同フォルダを確認します)。
期待される結果:.claude/skills/ フォルダ内にスキルのファイルが追加されている。
頼んだらどうなるの?
裏で何が起きているかというと、Claude Codeがフォルダを作り、SKILL.md という設定ファイルを書いてくれています。このファイルの中身については後の「おまけ」セクションで軽く触れますが、理解しなくてもスキルは使えます。
スキルはどこに保存される?
個人で使う範囲なら、意識しやすいのは次の2パターンです。この記事ではこの2つに絞って説明します。Claude Codeに頼むときに「どちらに保存して」と指定できます。
パターン1:このプロジェクトだけで使う(プロジェクトローカル)
現在開いているプロジェクトフォルダの中の .claude/skills/ に保存されます。このプロジェクトでしか使えませんが、プロジェクトごとに違うスキルを入れたい時に便利です。たとえば「このブログプロジェクト用の記事テンプレートスキル」など。
パターン2:このPCのどのプロジェクトでも使う(グローバル)
ユーザーフォルダ(Windowsだと C:\\Users\\ユーザー名\\.claude\\skills\\)の中に保存されます。一度作れば、どのプロジェクトを開いてもそのスキルが使えるようになります。日報やメール作成など「どこでも使う」系のスキルはこちらがおすすめです。
頼む時の指定方法:
- プロジェクト限定にしたい時:「このプロジェクト用のスキルを作って」
- どこでも使いたい時:「どのプロジェクトでも使えるグローバルスキルを作って」
- 指定しない場合:プロジェクト側に作られることが多いです
迷ったら、まずはプロジェクトローカルで試してみて、便利だと感じたらグローバルに移す——この流れで大丈夫です。必要に応じてグローバル側で作り直すこともできます。
ここでポイントなのが、頼み方を少し変えるだけでスキルの出来も変わるということ。たとえば「日報スキルを作って」とだけ頼むと、どんなフォーマットで出力するかClaude Codeが勝手に決めてしまいます。上の例のようにフォーマットや保存先まで指定すると、自分の使い方にぴったりのスキルができあがります。
「あるある」失敗例:漠然と「いい感じのスキルを作って」と頼むと、汎用的すぎて自分の用途に合わないスキルができることがあります。最初は具体例を多めに書くのがコツです。
作ったスキルを実行する
スキルができたら、実際に動かしてみます。
手順
1. スラッシュコマンドを入力する
Claude Codeのプロンプトでスラッシュ(/)を入力すると候補一覧が出ます。その中に自作したスキルも並んでいます。日報のスキルなら /daily-report を選んでEnterキーを押します。
/daily-report
期待される結果:スキルが実行され、結果が表示される。
2. 実行結果を確認する
スキルが正しく動けば、指定したフォーマットで日報が出力されます。保存先も指定した通りか確認してみてください。
期待される結果:日報ファイルが指定のフォルダに作成されている。
3. 引数を渡したい場合
スキルによっては、実行時に追加の情報を渡したいこともあります。たとえば「今日の作業内容」をコマンドと一緒に渡せると便利ですよね。
/daily-report 本日はブログ記事の執筆とCSS修正を実施。所要時間3時間
このようにスラッシュコマンドの後ろにスペースを空けて情報を書くと、スキルに渡せます。ただし引数を受け取れるかどうかは、スキルの作られ方によります。うまく渡せない時は、スキルの作成を頼む段階で「実行時に作業内容を引数で渡せるようにして」と指定しておくのが確実です。
期待される結果:渡した情報が日報に反映される。
一度実行して結果が確認できれば、あとは同じコマンドを入れるだけで何度でも回せます。
頼み方のコツ — いいスキルを作ってもらうには
同じ「スキルを作って」と頼むにも、言い方次第で出来が変わります。いくつかパターンを見てみましょう。
NGな頼み方
日報スキルを作って
これだと「どんな日報を出力したいのか」が伝わりません。結果として、Claude Codeが適当に判断して作るため、自分の使い方に合わない可能性が高くなります。
OKな頼み方
毎日の作業内容をまとめて、指定フォーマットで日報ファイルを出力するスキルを作って。
フォーマットは日付・作業内容・所要時間・翌日の予定を含める。
保存先は daily-report フォルダ。
「何をしてほしいか」「どういう形で出力してほしいか」「どこに保存してほしいか」の3点が伝わるので、使い勝手の良いスキルができやすくなるはずです。
さらに良い頼み方
出力例を添えると、意図がさらに正確に伝わります。
毎日の作業内容をまとめて日報を出力するスキルを作って。
出力例はこんな感じで:
## 2026-04-10 日報
- 作業内容:ブログ記事の執筆、CSS修正
- 所要時間:3時間
- 翌日予定:記事の推敲、画像の追加
このように「完成イメージ」を見せると、Claude Codeがそれに近いものを作ってくれます。
つまずきやすいポイント
- 英語で頼んだ方がいい? → いいえ。日本語で大丈夫です。
- 専門用語を使わないと伝わらない? → 普通の言葉で説明すれば問題ありません。「ファイルを出力して」「フォーマットを決めて」で通じます。
- グローバルとプロジェクト、どっちにする? → 「どのプロジェクトでも使う」ならグローバル、「このプロジェクト専用」ならプロジェクトローカル。迷ったらプロジェクトローカルで試して、便利ならグローバルに移しましょう。
- 一度で完璧なスキルができる? → そうとは限りません。出力結果を見て「ここを直して」と追加で頼むことで、少しずつ使いやすいものに育てていけます。
最初から完璧を狙わず「まず作って、使ってみて、直す」の繰り返しで進めるのが一番確実です。
うまく動かない時の対処法
スキルが期待通りに動かないこともあります。落ち着いて確認すれば、たいていは解決できます。
まず確認すること(確率順)
1. スキル名の打ち間違い
一番多いのがこれです。/daily-report を /daily_report と打っていた、あるいは /dairy-report とタイポしていた――あるあるです。
対処:コマンドをもう一度よく見直して、正しいスキル名を入力し直す。
2. スキルのファイルが存在しない
スキルの作成が途中で失敗していた場合、ファイルができていないことがあります。
対処:.claude/skills/ フォルダを開いて、自分が作ったスキルのフォルダがあるか確認する。なければ、もう一度スキルの作成を頼む。
3. スキルの中身が意図と違う
スキルは作られたけれど、出力結果が自分の想定と違うケース。
対処:Claude Codeに修正を頼む。「日報スキルの出力フォーマットを変えて。作業内容の箇条書きを番号付きにして」というように、具体的に何を直したいかを伝える。
4. 権限やパスの問題
保存先フォルダに書き込みできない、パスが間違っているなど。
対処:保存先のフォルダパスを見直す。デスクトップやドキュメントフォルダなど、自分がアクセスできる場所を指定し直す。
5. セッション開始時にskillsフォルダがなかった
Claude Codeの起動時点で .claude/skills/ フォルダが存在しなかった場合、作成したスキルが認識されないことがあります。
対処:Claude Codeを一度閉じて開き直すと認識されることが多いです。
解決したかどうかの確認方法
修正を頼んだ後は、もう一度スラッシュコマンドを実行して結果を確認します。期待通りの出力になれば解決です。まだ違う部分があれば、再度「ここを直して」と伝えます。
どうしても解決しない時
スキルを一度消して作り直すのも手です。「いまある日報スキルを消して、最初から作り直して」と頼めば、Claude Codeがやり直してくれます。最初より依頼文を詳しく書くと、前より良いものができます。
SkillsとHooks — 何が違うの?
Claude CodeにはSkillsのほかにHooksという仕組みもあります。両者の違いをざっくり整理しておきます。
- Skills:スラッシュコマンドで呼び出したり、関連する場面で読み込まれる再利用可能な手順。半自動化に向いている
- Hooks:特定のイベント(ツールの実行前後など)をきっかけに自動で実行される仕組み
「完全に自動で動いてほしい」ならHooks、「手軽に呼び出せる手順が欲しい」ならSkills――と覚えておけば大丈夫です。この記事ではSkillsに絞って解説しています。
どんな作業をスキルにできる? — 実践アイデア
スキルは日報以外にもいろんな作業に使えます。具体例をいくつか紹介します。
ブログ記事のテンプレート生成
ブログ記事のテンプレートを生成するスキルを作って。
出力は以下の構成で:
- タイトル案(3パターン)
- 目次構成案
- 導入文のひな形
タイトルは読者の悩みに寄り添う書き方にして。
定型メールの作成
定型の業務メールを作成するスキルを作って。
宛先、件名、本文のテンプレートを出力して。
本文は「お疲れ様です」で始まる標準的なビジネスメール形式で。
引数で宛先と用件を渡せるようにして。
フォルダ整理
指定したフォルダ内のファイルを種類別に整理するスキルを作って。
画像ファイルは images フォルダ、ドキュメントは documents フォルダに移動して。
整理前と整理後のファイル一覧も出力して。
読書メモの整理
読書メモを読みやすく整理するスキルを作って。
「本のタイトル」「要約」「気になったポイント」「感想」に分けて出力して。
会議メモの議事録化
会議のメモを議事録に整形するスキルを作って。決定事項と次回のアクションを含めて。
共通しているポイント
どの例も「何をしてほしいか」「どういう形で出力してほしいか」を具体的に書いています。この2点を押さえると、実用的なスキルができやすいです。
自分が「毎回同じ作業をしてるな」と気づいたら、それがスキル化の候補です。
おまけ:スキルの中身ってどうなってる?
裏で何が作られているのか軽く触れておきます。
知らなくてもスキルは使えます。 興味がある人向けの補足です。
SKILL.mdの構造
Claude Codeがスキルを作ると、.claude/skills/ フォルダの中に SKILL.md というファイルができます。このファイルは2つの部分からできています。
- YAMLヘッダー:スキルの名前や説明などのメタ情報を定義する部分
- 本文:Claude Codeが従う手順を書いた部分
YAMLヘッダーには name(スキル名)や description(説明)のほか、allowed-tools(スキル実行時にどのツールの許可確認を省くかに関わる設定)などが書かれることがあります。スキルの内容によって含まれる項目は異なります。
中身を見る意味はある?
作られたSKILL.mdを開いてみると、「なるほど、こういう指示が書いてあるのか」と理解が深まります。出力結果を微調整したい時も、中身を見るとどこを直せばいいか分かりやすいです。
ただし、中身を直接書き換える必要はありません。「スキルの出力をこう変えて」とClaude Codeに頼めば、修正してくれます。
最後に確認しよう
ここまでの手順で、以下のことができているはずです。
- [ ] Claude Codeにスキルの作成を頼めた
- [ ] skillsフォルダにスキルのファイルができた
- [ ] スラッシュコマンドでスキルを実行できた
- [ ] 出力結果を確認できた
すべてチェックが付いたら、スキル機能の基本はクリアです。
一度作ったスキルは資産になる
ここが大きなメリットです。今日作ったスキルは、明日も来週も、そのまま使えます。新しいプロジェクトを始めた時も、同じスキルフォルダをコピーすれば、そのまま使い回せます。
次に試すこと
スキルに慣れてきたら、以下のようなステップで広げてみてください。
- 日常の繰り返し作業をリストアップして、スキル化できるものを探す
- 複数の処理を組み合わせたスキルに挑戦する(「データを取得して整理してグラフを作る」など)
- うまくできたスキルをチームや友人に共有してみる
一度体験できれば、あとは頼み方を工夫するだけでどんどん便利になっていきます。まずは自分の身の回りの繰り返し作業、一つでいいのでスキルにしてみてください。
Skills以外にもHooksやScheduled Tasksなど、自動化の仕組みがいくつかあります。繰り返し作業をどの機能で自動化するか迷う場合は、Claude Codeの自動化機能まとめで使い分けを整理できます。
まとめ
Claude Codeのスキル機能を使えば、プログラミング知識がないWindowsユーザーでも「日報を作るスキルを作って」と頼むだけで繰り返し作業をかなり楽にできる。仕組みを深く理解しなくても、頼み方のコツさえ掴めばすぐに使い始められる。最初の一歩としては、まず作って試すところまでで十分だ。ただし、出力結果が自分の意図通りかどうかの最終確認は人がやるべき部分だ。







